風に吹かれて

日常の出来事、思い出、などを綴ります

ただそれだけで・・

友だちが 『ちょっと目をつむって 手のひらを上に向けて』というので   


それに従ったら 何かを置いた。


それは マニキュアだった。少し くすんだ スモーキーピンクの マニキュアだった。


日に焼けた手には 似合わない。


しかし 折角なので 満身に喜びを表して お礼を言った。


いや 嬉しかったので 満身で 喜びを表した。というほうが・・。


夫を亡くし、めげているかと思いきや 何かに挑戦しようとしている私に 


ご褒美 だという。




東北大震災に関連死のような死に方をし、家族の誰とも最後のお別れもせずに 逝った夫。


その後を 何事もなかったように振る舞う私が 立派だという。


振る舞っているのではなく、地なので、(ということは 冷た~い女ってこと?)


そんな私に 10年の歳月が流れた。


エスカレーターの前で 足を出したりひっこめたり、『今だ』と掛け声をかけては


じっと目で追い タイミングを 伺う 昨今である。 


歳月の流れは 容赦なく 心身に 老化という二文字を  刻んでいく。


夫は いつまでも若いままだ。ずるい。




マニキュアというプレゼントに 一瞬 乙女(はぁ~?)へと 誘(いざな)われた。


ただ それだけで 天を駆け巡る気分だ。 ただ それだけで。





                                  

                                                                           サルスベリ  (逆光で撮影しました)              
                 
         
                                       きょう お誕生日のかた おめでとうございます  


                 元気に一週間を過ごせますように!

                  読んで頂き ありがとうございます。