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　　　　　　　　　　朝の澄み切った空気を、　体いっぱい吸い込む。

　　　　　　　　　　五臓六腑に染み渡る、　う～ん　清々しい。

　　　　　　　　　　と、鼻に小さな異物が入りこんだ、　蚊じゃないのー。

　　　　　　　　　　お前も、生きているんだね。　

　　　　　　　　　　＜生きているだけで、まる儲けじゃないですかぁ～？＞

　　　　　　　　　　　と、　どこかで聞いたようなセリフを言った。　まさかね

　　　　　　　あまり　鼻穴に滞在して欲しくなかったので　思いっきりクシャミをした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はいっ、さようなら。

　　　　　　　姉が病に倒れてからというもの、一層「儲けもの意識」が高くなった。

　　　　　歯の検診は年に2度は受診するマメな姉が　ガン検査を受けていなかったとは。

　　　　　しかも　10年間も。　耳を疑った。

　　　　　面倒くさがり屋の私だって　受けているというのに。

　　　　　ガンが見つかるのが怖いのではなく、 手遅れになるのが怖い。

　　　　　食欲がないと言う姉を誘って、妹二人と　計四人で食事をした。

　　　　　心配は不要だった。　オーダーした お蕎麦セットを完食した。

　　　　　おそば、おこわ、山菜の煮物　天ぷらが付いた　ボリューム満点のセットだ。

　　　　　良かった。　言うこととやることが違うーと言ってやりたかったけど

　　　　　完食してくれたのが嬉しくて　　慌てて　ひやかし言葉を飲み込んだ。

　　　
　　　一昨年の冬　主治医から一か月しか持たない命だと言われて以来　一年半になる。　

　　　どうやら　姉の寿命は　とてつもなく長いらしい。

　　　　　　        他界した両親よ、　お願いだから　まだ連れて行かないでね ！

　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　読んでいただきありがとうございました