風に吹かれて

日常の出来事、思い出、などを綴ります

氷水

              


口に運ぶと、淡雪のように溶ける氷水、今でこそ溶けるような氷水だけど


私が子供のころの氷水といったら ザラザラとして舌を切りそうなほど粗いものだった。


ある日、20円を持って氷水を食べに ひとりで近所のお店に入った。


氷水を食べ、一時間経つか経たないうちに 高熱にうなされた。


疫痢であった。


目を白黒させて横たわる私に、 舌を噛む恐れがあると 母は 判断し


割りばしを口に突っ込んだ。


そして 脱糞( 食事中のかた、これから食事のかた、 ごめんなさい)


生と死の挟間でぐったりしている私を 父は 慌てて 裸足で走り 小児科へと向かった。


その小児科には 図書コーナーがあって 病気でなくても遊びに行ったものだ。


なので 医者とは顏見知りだった。


医者も慌てて、処置をした。


当時 目が飛び出そうなほど高額な薬を使うか?と、医者は 父に たずねたそうだ。


勿論 Yes,  娘の命が助かるならと 承諾し、その薬を使った。


と、どうだろう あれよあれよという間に熱は下がり ケロリとした。


父は 涙を流して 安堵したという。


使用した薬は ペニシリン。(記憶が正しければ・・)


ペニシリンは、 イギリスの細菌学者・フレミングにより青カビから発見された


世界初の抗生物質と言われていますね。


今 私が生きているのは 小児科の医者であり、ペニシリンのおかげであり、


そして 親のおかげであると言っても 過言ではない。


これからの季節、食中毒には最新の注意を払わなければ、と肝に銘じています。






     塩分と水分をとってね。                       【イラストAC】



              きょうお誕生日のかたおめでとうございます


               読んで頂き、ありがとうございました。